ご無沙汰しております。。。
先日、音楽プレーヤを無くしました( TДT) わざわざ音楽プレーヤと書くのは、MP3(専用)プレーヤでもないし、林檎のマークの会社の製品でもないからです。
無くしたプレーヤ(以下DAP(Digital Audio Player)は
Cowon J3というモデルです。これは内蔵32GBに加えMicroSDカードが使用でき、かつflac音源をサポートしています。flacについては最近とみに目にすることが多くなりましたが、要するに「ファイルサイズは圧縮するが音質はCDと同等」の音源ファイルです。
その昔、もう10年位前でしょうか、同じくCowonにM3というDAPがあり、HDDを内蔵して当時としては画期的な32GBという大容量、かつファームのバージョンアップによりflacをサポートというもので、私はこれを2台使っていました。その時の名残で保有する音源はほぼ全てがflacであり、flacをサポートしないDAPは論外でした。
J3もかれこれ2台使いましたが、新しく買い直すにもそもそも市場にストックがなく、今更探しまくって買うのもなぁ、と次機種をどうすべぇかと考えていました。
いろいろ調べてみて、以前視聴したSONY Walkman Z系列やF系列も考慮に入れつつ、やはり気になっていたのは、ハイレゾ対応で話題の「
Astel & Kern AK100」でした。何しろハイエンド大好きな私のこと、聴いたら決まりだよなと思いつつ、湾仔にある行きつけのヘッドフォン/イヤフォン専門店へ。。。店に入って高額商品の置いてあるケースの中をみたらしっかり展示されていて、視聴できるかと聞いたら勿論!と。
で、まぁ細かい事は省きますが、案の定、聴いたら最後決めてしまいました。
機能や音質については様々なAV系専門サイトやユーザレビューがありますので、その辺を参考にしてください。
AV Watchのレビューは大体私の感覚に近いです。
。。と、それだけはブログの意味がないので簡単に。
Astel & Kern AK100は、ハイレゾ音源と言われるCDを凌駕する音質の音源をサポートすることを最大の売りにしたDAPです。音質を追求するため、基本システムはAndroidを使用せずLinuxを独自にカスタマイズした専用OSで、Wi-Fiもありませんしアプリの追加もできません。それどころか動画再生もできず、完全に音楽に特化した今では化石とも言える単機能DAPです。
そういう尖った仕様のためか音質重視の層には訴求力があるようで、DAPとしては高額なのにそれなりに売れているようです。
ハイレゾ音源は最近
e-Onkyoなどが話題で、その他日本以外の国でもDL販売するサイトが増えてきました。ハイレゾ音源の作成方法はざっと調べたところ2種類あって、一つはスタジオ録音時の生データからミックスダウンするもの、もうひとつはCD化された音源からアップサンプリングするものです。販売中の音源、とくに古いジャズなどはどちらの方法で作成されたかよくわかりません。
ハイレゾ音源の価格はアルバム単位で2500~3000円位で、香港では新譜CDがおまけのDVD付きでもHKD100~130位なのと比べるとかなり高いのですが、まぁ音質を考えると仕方ないのかも。日本でいえば通常のCDと変わらない価格でしょうか。
AK100の評価は人それぞれで、絶賛しているレビューのあればこき下ろしているものもあります。私自身は非常によくできたプレーヤで、おそらく一般人の手が届く価格帯では最高峰に位置づけて良いかと思います。
ハイレゾ音源はファイルサイズが巨大なので、まずストレージ容量が問題になりますが、AK100は内蔵32GBに加え、MicroSDをなんと2枚使うことができます。公式にはSDHC 32GBまでですが、SDXC 64GBをFAT32で再フォーマットすることで使用でき、最大で32+64+64で160GBまで拡張できます。この容量だとiPod Classic位しかないですね。私も64GBのを1枚挿してますが特に問題はありません。が、勿論公式には未対応なので自己責任です。
また、ホワイトノイズの少なさも特筆ものです。無音の中から楽曲が立ち上がり、最後の音が無音の中に消えていくという体験は今までのDAPではありませんでした。
ハイレゾではない、通常のflac再生でも妙なブーストがかかっていない締りのある低音と伸びやかな高音で、J3より確実に基本的な音質は上です。MP3再生も多少良くなってますが、MP3自体の音がどうしようもないので、評価対象外。
良い音を聴く時には目をつぶることが多いのですが、その時に浮かぶことは様々です。音全体を聴いたり、ベースラインだけを追いかけたり、歌詞に集中したり。今回いくつかのハイレゾ音源をDLした時は、まぶたの裏に黒いキャンパスをイメージしました。黒いというのはネガティブな意味ではなく、前述のホワイトノイズが無いことに起因します。
諏訪内晶子さんのヴァイオリンコンチェルトを聞くと、ヴァイオリン単体では金色の光がひとつふたつと踊りはじめ、オーケストラがわーっと響いた時には金色の光が爆発するような衝撃があり、おもわずおおっ!と声が出そうになりました。音場が左右に広がり、自分の頭を中心にコンサートホールができたかのような感覚でした。
次に聴いたのがパコ・デ・ルシア、ジョン・マクラフリン、アル・ディ・メオラの通称Super Guitar Trioのライブ版
Friday Night In San Franciscoで、これはその音に血が沸騰しそうになりました。パコ・デ・ルシアは以前来日した時にNHKホールに行きました。あの時も気がついたら拳を握りしめて聴いてましたが、それに劣らぬ熱い演奏でした。このSuper Guitar Trio、「Passion, Grace and Fire -情炎」というスタジオ録音版があって、実はそちらの方が好きなのですが、現時点で扱ってるサイトが無いようです。今後に期待。
思い返せば、いい曲だなと思うことはあっても、音楽を聴くこと自体に興奮したりワクワクすることは久しくなかったように思います。初めてCDを買った時、アンプを真空管で揃えた時以来かもしれません。
そんな思いに再度火をつけてくれたこのAK100、決して安いものではないですが、良い出会いだったと思います。
同時に購入したイヤフォンとハイレゾ配信サイトについては後日(多分)